小ネタ特集――大相撲この一年

年末のNHKテレビ「大相撲この一年」(以下、写真は断りがない限りNHKテレビの画面を撮影したもの)

鶴竜の引退も「この一年」内(3月)のことだったのだが、番組では白鵬引退、照ノ富士の横綱昇進という二大ニュースの陰で、数十秒取り上げられたにどまり、SNSなどでは鶴竜ファンが怒っていた。

「大相撲この一年」の放送時間自体が、80年代には1時間、90年代の若貴ブームの頃には1時間以上になることもあったが、近年は短くなっている。今年も30分と、なんとも物足りない。コロナ禍で取材が制限されたことも影響しているのかも知れないが。

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名古屋場所十日目時点で引退を決意していたという白鵬。残り五日、勝っても負けても悔いのない相撲を取ろう――ではなく、何が何でも勝とう、という姿勢への疑問については、今までの記事でも言ったので、今は改めて問わないが、なぜ、その名古屋場所後に引退表明しなかったのかという素朴な疑問は残る。宮城野部屋でのコロナ発生という事態がなければ秋場所は出場していたのだろうか?

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もちろん「白鵬杯」の主催等による、相撲の底辺拡張といった功績は素晴らしいし、「相撲オタク」と呼びたいほどの、過去の名力士についての造詣の深さには感嘆する(曙もそんなところがあったが、白鵬はそれ以上だろう。照ノ富士も、YouTubeなどに上がっているあらゆる相撲の動画は、ほぼ全て見ていると言っている)。

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照ノ富士は、その著書『奈落の底から見上げた明日』(日本写真企画)の中では白鵬の横綱観も否定してはいないが、

「横綱は結果を残すだけではなく見本にならなけらばならない。結果を残しているから横綱ではなく、みんなが横綱と見てくれるから横綱」

との言葉は、白鵬の「勝つのが横綱相撲」を意識して、アンチテーゼを示したのではないかという気がする。

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先述の、照ノ富士の著書の中で、同部屋の先輩横綱・日馬富士についてほとんど語られていないのは、やはり・・・。

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今は相撲ファンも白鵬アレルギーの反動もあってか、照ノ富士には概ね好意的なようだが、今後、日本人力士の台頭があると、一転、敵役にされることもあるのではないかと、ちょっと心配。

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白鵬は双葉山と比較されることが多かったが、照ノ富士の、相手に攻めるだけ攻めさせたり、外四つからでも委細構わず取る相撲は、双葉山より更に遡って「角聖」常陸山の再来だろうか。

『横綱の品格―常陸山と大相撲の隆盛』風見明・著(雄山閣)表紙写真より

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