技を用いず「非技」で勝つ相撲の極意(うそです)

八日目、翠富士-明生で、翠富士がいなしを見せ、たたらを踏む明生に向かって攻勢に出ようとした瞬間、勢い余って足を滑らせ前に落ちた。

ここぞと突っ込んでいった翠富士だったが・・・(NHKテレビより)

決まり手はなく「勝負結果」としての「つき手」がとられた。

(NHKテレビより)

「つき手」というより「すべり足」とでもした方が、状況を正確に表しているように思える。

それはともかく、この相撲を見て思い出したのが1985年初場所の隆三杉-板井戦。初めて今の両国国技館で行われた本場所での出来事。

YouTube相撲協会公式チャンネルの「大相撲アーカイブ場所」で、その一番が見られるので、メンバー登録している方は御覧いただきたい。6:44あたりから始まる。

 (有料動画なので登録していない方は視聴できません)

両力士、立ち合った瞬間、板井が足を滑らせ四つン這いとなった。

私は、板井が手をついたことには、そんなに驚かなかった。観客も、板井が滑ったことより、そのあと隆三杉がスンナリ勝ち名乗りを受けたことで一層ざわつき始めたように思える。

恐らく相撲は不成立でやり直しになると思っていた人も多かったのではないか。

なにしろ、まだ相撲を取っていないのだから、私も立ち合いからやり直しかとも思ったが、とにかくも両者手をついて立って、行司は軍配を引いているのだからそれはなく、軍配は隆三杉に上がり、審判からやり直しの指示もなし。

あっさり隆三杉の勝ちとなった。

『相撲』1985年初場所総決算号156ページ「西岡りきのマンガさじき」より

今なら「つき手」が採用されるところだろうが、当時は現在の「勝負結果」に当たるものは「勇み足」と「腰砕け」だけ。

「叩き込み」がとられたが、隆三杉はむろん叩いてなどいない。こういう時は、無理があっても決まり手の中から何かを当てはめなければ仕方がない。

今場所最高に短い相撲だった。板井は立った瞬間足がすべってアッというまもなく両手を前へついた。隆三杉は全く何もしないで結果は叩き込み。(0秒3)

『相撲』(ベースボール・マガジン社)1985年初場所総決算号156ページ「初場所総観戦記」より この相撲の手さばき(?)解説

やり直しになると思ったのは両力士も同じだったらしい。

隆三杉「速攻だよ。さわる前に勝った。取り直しかと思った。こんな楽なのは初めてだよ。懸賞金までもらって、毎日こうだといいね」

笑いの止まらぬ隆三杉に対し、泣くに泣けないのが板井。

板井「もう一丁と思ったけどダメだったね。バカ負けした」

(『相撲』誌「ひとくちマイク」欄より)

読売『大相撲』誌1986年初場所展望号 巻頭カラー写真より

板井は、この一番で負け越しが決まったのだから、踏んだり蹴ったり。

翌日の新聞には名前に引っ掛けて「『痛い』黒星」などと書かれた。

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